The sea, the sky, the you
and I(海、空、貴方がいる、私がいる)
The sea, the sky, for you and I(海、空は貴方の為に、私の為に)
I'll know we're all blues(私達は全てブルースだって事を知る事になるわ)
All Shades, all hues, all blues(物事の光と影、それは全部ブルース)
ここでいう「海」「空」は「天と地」地球と宇宙という万物の象徴、「悠々たるかな天壌」「天壌無窮」「悠久の時」といった言葉があるように宇宙は時の象徴でもある。
Huesは色相なので「物事の表部分」に対比する言葉としてShades日陰が並んでいる。
般若心経の「色即是空」:「(色)=形あるもの、是れ即わち(空)=無なり」を思わせる。
Some blues are sad(いくつかの歌は悲しくって)
But some are glad,(いくつかの歌は嬉しい):ここでいう「歌」は人生の事
Dark-sad or bright-glad (暗い悲しみ か 輝かしい喜び、どちかよ)
They're all blues(どっちだって全部ブルース)
(Chet Baker版だと ↑この最後の1行を”We are all blues” と歌っていて、歌は2コーラスで終わり。私の好きなバージョンです)
The color of colors(色々な物事の中でも)
The blues are more than a color(悲しみというものはより色濃く)
They're a moan of pain(痛みによるうめき)
A Taste of strife(争いの味=勝利の美酒と敗北の辛酸)
And a sad refrain(争いは続く、そして悲しみがくりかえされる)
この詩は有無同然といった大無量寿経や、般若心経のように物事をColorという言葉で表し表裏一体性について語り「争いを止められない」という人間の実相に話が及ぶ辺り、仏教哲学のセンスがある方が書いたんだな、と思いました。仏教用語の説明は専門家に任せて
All Blues =「人生は苦なり(シッダルダ)」「全部ブルースだぜ(マイルス)」
テーマ冒頭のロングトーンには「The Sea」「The sky」という言葉が当ててあります。是非 悠々たるイメージを重ねてマイルスのような意味深なロングトーンを奏でて下さい。